クソ生意気な子どもの戯れ

petitでのあれこれ

ティート、バックグラウンド。

ティートの生い立ちについて。
ペティットのプロフで触り程度は書いてたんですがちゃんとは書いてなかったので。
お暇な人、ティートに興味が湧いたり仲良くなりたいなーとか思ってくれちゃったりして下さった方はどうぞお付き合い下さい。
それ以外の皆様にとってはチラ裏の落書きでしかないので、また別の記事ができるのをお待ち下さいな。


ミッレカナーレ地方の小さな町、その領主アルジェントの次男として生まれる。
息子を溺愛する両親の元、甘やかされ何不自由なく育てられた。
兄は厳格な祖父に似て真面目に育ったのに対し、ティートは両親の影響も強く我儘な性格になっていった。

10歳のとある日、街で出会った少年に連れられ孤児院を訪れる機会ができた。
自分と歳の変わらない、もしくは歳下の少年少女が粗末な服を着て、僅かな食事で腹を満たしている姿。
それを見たティートは非常に自分が恥ずかしいような、情けないような複雑な気持ちを覚えた。あまりに恵まれた環境を当たり前に享受していた事に気が付いたから。
それを知ってか知らずかよそ者の自分にも分け隔てなく接してくれる孤児達や職員が温かくもあり、後ろめたい気持ちもあった。

不定期的に孤児院に遊びに行くようになってどのくらい過ぎたか。
ティートが12歳になる頃、その耳に知らせが入った。当の孤児院が閉鎖する事になったと。
その折に知ったのは両親が治めるこの地は税金が元々安くなかった事。それを払い切る余裕がなく、立ち退きの命令に従わざるを得なかった事。
貴族の家に生まれながら何もできなかった、その思いがティートの心に罪悪感と後悔を深く刻みつけた。

自分が何をしたいのかわからないまま、まず話をしたのは兄。
提案されたのは、冒険者として稼ぎに出る事。
決して楽な道とは言い難いが、腕を磨けばどこかしらで需要も見込めるし若いうちから金も稼げる。(兄にとっては、自分より可愛がられているティートの方が跡継ぎになりかねないのでそれを防ぐ目的もあったが)
家に留まっているよりはできる事も増やせるだろう、ならばと提案を受け入れる事にした。

家を出る事に関して、両親には「騎士団に入りたい」と嘘をついて許可を得た。ただし15歳になってからと条件は付けられたが。
それまでの間は冒険に出る為に必要なスキルを学ぶ時間に充てるつもりだったのだが。筋力が絶望的に足りていなかった。
戦いに必要になるであろう戦闘技術として、剣、体術、弓や槍も練習してみたのだが、非力すぎてまともに剣を振るう事も槍で貫く力をつける事もできず。
魔法に関してもちゃんと学べる相手がすくなくともティートの行動圏にはおらず、素人に毛が生えた程度の魔法しか使えないままだった。

先行き不安ながら家を出た15歳の春。
戦闘に関与しないスキル、ナイフの使い方や簡単な調理の仕方などあれば便利な物は身に付いたが、戦闘スキルを見る限りでは「魔法使い見習い」程度がいいところで。大した活躍はできず報酬も少ないまま。

とある依頼を受けた際、たまたま同行した冒険者が所持していた銃。それを見て「これなら自分でも使えるのでは」と考えた。
結果は1発撃っただけで尻餅をつき、銃も手元から弾き飛ばされていったのだが。
諦めずに教えを乞い、練習を重ねる中で思いついたのが「銃口から魔法を撃つ」という現在のスタイル。
これを身に付け、銃の構え方や手入れの仕方などを教わり、ようやく1人の冒険者としてある程度の活動ができるようになるのだった。

現在18歳。
金を稼いだところで何がしたいのか、正直未だにわからずにいる。
ただ願わくば、あの孤児院にいたような子どもが少しでも幸せに暮らせたら。その為の手助けをする術があるなら。
明確な目的こそないが、その為ならば努力を惜しまないのだろう。それは恐らく、償いの形。